デジタル化で海運業界に変革を-私たちグローク・テクノロジーズは、1隻ずつ船の運航をより安全なものにしていきます

自律という技術は何年も前から語られており、人々を魅了してきました。自動車業界や航空業界では周囲の状況を監視する支援システムが広く普及し使用されていますが、海運業界では全く進んでおりません。この現状から当社、グローク・テクノロジーズは設立されました。AI(人工知能)を含む最先端の技術を海運業で活用し、より安全で効率的な海上航行を可能にすることを目指しています。

グローク・テクノロジーズは2019年にフィンランドで設立されました。四人の創業メンバーはそれぞれ海運業界で15年以上の経験を持っており、現在はグローク・テクノロジーズで海運業界に新しい技術と刺激を与えることに挑戦しています。

「私たちは従来から、自律運航の技術は運航支援に活用できると強く信じていました。三菱商事とのパートナーシップを通じて、先ずは数千隻規模の日本内航市場に注力していこうという決意を固めました。」と当社のCEOであるユハ・ロッカは言います。

「三菱商事を通じて、内航業界の現状や課題をより深く理解することができました。船員の高齢化が進み、次の世代を担う若手の船員が以前ほど集まらなくなっています。人間なので事故に直結するようなミスや、いわゆるヒヤリハットの類のミスをすることもあります。作業環境は過酷で単調な作業も多いです。私たちの技術を通じて、船員がより本質的な業務に集中し、単調な作業をシステムに任せることが出来る日が来ると信じています。」とロッカは言います。

当社は、テクノロジーを難しいものではなく、より身近なものにしたいと考えています。

「テクノロジーはよく専門的な言葉で話されてしまうため、敬遠されることが良くあります。しかし、テクノロジーはハード面では携帯電話の普及、ソフト面ではインターネットが日々のコミュニケーション、買物等の形を大きく変えたことからも分かる通り、人間の生活を豊かにする身近なものであるべきと考えています。テクノロジーは概念に留まるべきではなく、私たちのお客様である皆様に使って頂けることに重点を置いており、簡便さと柔軟さを追求しています。但し、柔軟でありつつも、核となる部分は疎かにせず地に足をつけて方向を見定める必要があります。」とロッカは言います。

ロッカは、グローク・テクノロジーズを大人のスタートアップと呼んでいます。それは、市場、業界、技術の深い知見を持ちつつ、スタートアップの精神を持ち、スピード感がある会社文化ゆえです。社員は現在19人へと急速に成長していますが、社員には業界での豊富な経験だけでなく、大学でしか得られないようなテクノロジーに関する学術的知識も求められています。

ロッカは、フィンランドという当社の立地もまた武器であり特徴であると考えています。

「フィンランド人と日本人は文化的に多くの共通点を持っており、それがために私たちの働き方は多くの点でとてもよく似ているのだと思います。」

当社が設立以来、お客様との会話を製品面に反映させていることについてもロッカは強調しています。

「私たちにとって最も重要なことは、お客様やユーザーである内航船員の方々と開発の初期段階から腹を割った会話をすることです。私たちは思い付いた解決策やアイデアをどうしたらお客様と一緒に検証できるかということを常に考えており、Groke Tribeのポータルサイトを開設したのはこの為です。いろいろな工夫をしながら、皆さんと当社の開発チームの距離を近づけたいと考えています。」

「開発段階からお客様と会話をしなければ、焦点がずれてしまい、間違った解決策を生み出し、お客様に満足して頂けないという最悪の事態に陥ってしまいます。」       

当社はお客様にすぐにお使い頂ける実用性を重視する一方、ロッカは長期的な視点も常に持ち続けていると言います。

「私たちのシステムは先ずは船員の意思決定を支援するものですが、将来的には船員は最も重要な業務に集中し、冗長な業務はシステムが行うことを目指しています。最初の製品では、船長に本船周囲に関する質の高い情報を提供し、どこに焦点を当てるべきか提案することを目的としています。船長はシステムを用いてより的確な判断を下すことが出来、船をより安全かつ効率的に運航することが出来ます。いつの日か、私たちの運航サポートシステムは運航者に代わって判断を行うことが出来るようになり、運航者はシステムの判断を確認するだけで済むようになると思います。」

今年中には複数の内航船社と状況認識システムのパイロットプロジェクトを開始し、いよいよ日本で当社の技術が展開される予定です。最初の製品は2021年中には商用化の準備が整い、その後お客様に、より安全で効率的な船舶運航を提供するために、新機能と新製品を市場に投入すべく、今後も技術開発に尽力して参ります。

グローク会員制ニュースレター2020年10月号掲載記事

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