インタビュー:変化する海事産業のニーズに応える パイロットパートナー ヴイ・ジー・シッピング社

ヴィッラ・コッスキネン氏は甲板員として船員のキャリアをスタートさせ、船のほぼすべての職階を経験してキャリアを積んだのち、最終的に船長に就任しました。そして現在はフィンランドの船会社VG-Shipping(ヴイ・ジー・シッピング)の代表取締役を務め、グローク社と共同で状況認識システムのパイロット試験を行っています。

ヴィッラ・コッスキネン氏 ヴイ・ジー・シッピング社 代表取締役

ヴイ・ジー・シッピング社は約2,000トンから7,000トンの沿岸航行サイズの貨物船、オープンデッキ船、RO-RO船を運航しています。工業用のばら荷、リサイクル材料や原料、より要件の厳しいプロジェクト貨物等を輸送しており、主に北欧の海域で活動しています。

フィンランドと日本には文化的・地理的に多くの相違点がありますが、同時に意外なほど多くの共通点もあり、同じような社会的課題に直面しています。これは海事産業にも現れています。

コッスキネン氏にヴイ・ジー・シッピング社がなぜグローク社のシステムを自社の船で試すことに前向きなのか尋ねたところ、「理由はひとつではありません」との答えが返ってきました。

「当社は常にテクノロジー、自律運行、デジタル化などの開発に前向きな姿勢をとってきました。現在当社で進めている新しい建造コンセプトのプロジェクトでは、内水面輸送におけるカーボンフリーソリューションの開発に取り組んでいます。そこで非常に重要になってくるのが自動化とデジタル化なのですが、その当時はあまり利用できそうなものはありませんでした。」

コッスキネン氏は、グローク社はすでに開発の道の一歩先を歩んでいるように感じたと言います。他の大手企業ともすでに話をしていたものの、グローク社に出会ったときに他社にはない何かがあったと言うのです。

「グローク社にはこの分野の知識があることがわかりました。すぐに利用できる製品があるのです。誰もが自律運航船の話をしていますが、誰一人として具体的に提示できるものを持ち合わせていないのです。そんな中でグローク社のシステムはすぐに利用が可能な画期的なものでした。」

状況認識システムがヴイ・ジー・シッピング社の業務にどのように役立つかという質問に対して、コッスキネン氏は次のように答えました。

「直ちに当社の運航に安全性をもたらすでしょう。海上での疲労や当直の問題などについてはよく議論に上がります。ブリッジではどのような支援も常に大歓迎です。」

「将来的には、船員の負担を軽減し、作業をしやすくすることも必要です」とコッスキネン氏は続けます。「また、自律性を高め、船員の人数を減らす努力をしていかなければなりません。時代も変化していますから、新たな教育も必要です。」

若い世代は海での仕事を魅力に感じなくなってきてしまっている為、ヴイ・ジー・シッピング社では地元の就労者を船員として雇用することが困難になってきています。すでにさまざまな国籍の従業員を採用しており、EU圏外出身者も多くいます。

「このことは大きな問題になってきています。だからこそこの業界には自律運航システムの開発が必要とされているのです。とはいえ、完全自律型の航行が可能となる日が来るのかどうかはわかりません。」

コッスキネン氏は、船員が完全に不要となることはないだろうと考える一方で、状況認識システムやその他の新しいシステムの運用要件を満たすために、将来の船員に必要なスキルセットは変化していくだろうと指摘します。

最後に、グローク社との協業については非常に満足していると言います。

「協業は全ての面においてとても素晴らしかった…堅苦しくなく、オープンでした。グローク社は当社が協力したことに心から感謝してくださり、むしろ恐縮でした。彼らはシステムについて共有できる情報はすべて共有してくれたので、当社としても今後も協力していくことにますます興味がわきました。」

グローク会員制ニュースレター2021年5月号掲載記事

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