インタビュー:自律運航への技術、日本から実現 CEOロッカ氏

以下の記事は、当社CEOが将来計画、コンピタンス、日本の顧客との関わり方について話っている、2021年2月9日付で発行された日刊海事プレス記事の抜粋です。

― グローク社の特徴は。

 「当社は、海運に関連する技術や市場に深い知見を持つスタートアップであり、海運業界で長期にわたる堅実なバックグラウンドと経験を持つ集団だと自負している。将来展開を見据えた製品ポートフォリオと、長期にわたる市場拡大計画を含む長期的ビジネスを念頭に置いている」。

 ― 今後の事業展開などの計画は。

 「日本市場が当社にとって最初の重点市場で、グローバル市場に拡大する前に、まず日本で当社の確かな実績と高い顧客満足度が示されることを確信している。少なくとも2023年までは日本市場に注力する予定で、それ以降に他国市場にもソリューションを提供し始める考えだ。これはあくまでも足元の計画であり、顧客に最大の価値を提供できるよう常に状況に応じて軌道修正する」

 「現在は、航行中の船舶の乗組員の日常業務をサポートする第1弾の製品開発に注力している。当社が提供するハードとソフトを組み合わせた製品だ。まずは、船舶の制御までは行わないアドバイザリー製品に焦点を当てるが、ゆくゆくは、人間の介在がより少なくすむような自律ソリューションを含む、より包括的な運航ソリューションを提供していきたい。全てを自社で行うのではなく、他社と提携して最良のソリューションを顧客に提供する予定だ」。

 「また、現在は船舶に搭載するソリューションの提供に注力しているが、それ以外にも、必ずしも当社システムが本船に搭載されない用途でのケースも検討している。例えば、当社製品は陸側に搭載することもできると考えている。顧客に、より正確な情報を提供するため、複数の製品を異なる場所に設置する等、顧客価値を高めるため数多くのアイデアを考えている」

 「当社は独自のハードウェア技術に投資もしているが、本質的には、人工知能(AI)/機械学習、センサーフュージョンアルゴリズム、最先端のユーザインターフェイス(UI)/ ユーザエクスペリエンス(UX)技術に重点を置いたソフトウェア企業だ。ハードウェアのソリューションを提供する企業にとって最大の問題は、搭載数を短期間で爆発的に増やすことが難しい点にある。これに対して当社はソフトウェア企業なので、顧客の要求に基づいて搭載数を簡単に拡大できるようにすることも当然考慮している。最終的な使命は、最適なソリューションを抽出し、業界に広く受け入れられるよう開発に全力を尽くすことだ」

 - グローク社のコア・コンピタンスは何か。

 「1年前、当社はまだ5人の会社で、研究開発は主に外部の業者に委託していたが、ソリューションを即時かつ長期的に開発、維持、強化できる能力を確保するには、私たち自身が才能あふれる強いチームになる必要があった。この一年間で、幅広い経歴とスキルを持つ15人を採用した。いずれも高度なスキルを持つソフト開発の専門家で、得意分野は人工知能・機械学習、センサフュージョン、UI/UX、品質管理/テスト、オペレーティングシステム、ネットワーク、ソフトウェア導入など多岐にわたる。システムにはハードウェアも含まれるため、エレクトロニクス、組み込みシステム、複雑なコンピュータアーキテクチャ、GPU(グラフィカルプロセシングユニット)に関する知識を持つメンバーもいる。また、迅速なソリューションを実現するため自動車など他産業向けの同様の技術開発で経験のある外注企業も活用している。高い技術力を持つ自社チームと外注企業の協力で進めている、高品質で安全・安心な製品開発には自信がある」

 「さらに、当社のソリューションが将来の自律運航船の一部に組み込まれるよう、業界関係者とも連携している。例えば、AIや機械学習に関する確固たる規制要件がまだないため、この点は非常に重要と考えている」

 - 製品を市場投入するにあたり規制上の問題はあるか。

 「当社のソリューションは最初の段階ではサポートシステムに過ぎず、制御を行うものではないため、規制上の問題は想定されていない。ただし当社製品が国内のあらゆる船舶に問題なく搭載できるよう、日本の規制要件に適合していることは確認している。一方、国際海事機関(IMO)や日本の当局で規制に関する議論が行われていることは承知しており、安全性、特に船舶の制御機能や自律的な運用段階に入る際には、規制は重要な観点になるため、これら議論への関与が重要と考えている」

 - 顧客の関与を重視していると聞いているが、具体的には。

 「どの企業もそうであるように、当社にとって顧客は常に最優先事項。これを実現するため当社は『顧客との親密さ』を重視しており、開発段階から潜在的な顧客と一緒になり、安全で効率的な船舶の運航に向けての旅路を歩もうとしている。当社では製品の機能を設計する際の要件定義の段階から顧客に関与頂き、まずは顧客にとって最も重要な機能について調査した。その後の開発では、顧客要望に応じた機能や使用方法が実現できるよう、さまざまな方法で顧客と協力し、継続的なフィードバックを頂いている。例えば、主要顧客が開発段階で製品を体感できるようにするオンライン・ツールがある。当社製品はネットを介して顧客のシステムに新機能が継続的に開発されるものなので、この関係は製品リリース後も継続する。目標は、顧客と強い関係を構築し、継続的に最大限の価値を提供し続けることだ」

« Back